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ドラードの研究(1)

ドラードの研究
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本編のドラードとは、南米の河川に生息する金色に輝く淡水魚のことです。
『南米の河のトラ』の異名をもつこの漁族は、分類的にいうとカラシン目(もく)、カラシン科(か)、ブリコン亜科(あか)、サルミヌス属(ぞく)に含まれます。サルミヌス属には、数種の魚が知られています。すなわち、ドラードといっても1種類ではありません。
つい最近。2007年になって新種のドラードが記載されました。
 新種と言っても、新発見ではありません。昔は同一種だと思われていたのが、研究してみたら別種でした・・・ というお話です。

新種のドラード

サルミヌス・フランシスカヌス(サンフランシスコ・ドラード)
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上写真は、サルミヌス・フランシスカヌスのホロタイプ(学名記載の根拠となるもっとも重要な標本)

新種のサルミヌス・フランシスカヌスの生息地は、ブラジルで3番目(アマゾン、ラ・プラタに次いで)に大きなサン・フランシスコ河(Rio Sao Francisco)の特産種です。同河川は、時期によってたいへん水が澄んでいて、キモチのいい釣り場です。

2007年の記載論文は、これです。
Neotrop. ichthyol. vol.5 no.3 Porto Alegre July/Sept. 2007
Salminus franciscanus, a new species from the rio São Francisco basin, Brazil (Ostariophysi: Characiformes: Characidae) Flávio C. T. Lima; Heraldo A. Britski


サン・フランシスコ河の流域
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大型になるサルミヌス属の2種

サルミヌス族、すなわちドラード類は、数種類いることを前述しましたが、その中で20キロ以上の重量級に成長できるのは、2種類だと思われます。一つは、新種記載されたサンフランシスコ・ドラード。もう一つは、古くからよく知られている『ラ・プラタの河のトラ』であるラ・プラタ・ドラード(サルミヌス・マキシロッサス)です。前者は、最大で25キロくらい、後者は35キロくらいの記録があります。ちなみにドラードでは10キロを超えるような個体は、すべてがメスです。オスで5キロを超えることは滅多にありません。

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サン・フランシスコ河のサルミヌス・フランシスカヌスの12キロ
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ピキリ川のサルミヌス・マキシロッサス

両虎の違いは……

上の2枚の写真を比べてみると、同じくらいのサイズだと、前者(サンフランシスコ・ドラード)は後者(ラ・プラタ・ドラード)より白っぽいのがお判りでしょう。尾ビレの赤は、前者のほうが、より鮮血色です。
頭部の形では、前者のほうがいくぶん吻部が尖っています。その他、歯並び、側線などにも違いがあるのですが、専門的すぎますから、ここでは割愛しましょう。
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サンフランシコ・ドラードの超大型

サンフランシスコ・ドラードも超大型になると黄色が強くなる傾向があります(写真)。

日本のヘミングウェイとドラード

ドラードという南米魚が日本の釣り界で認知されるようになったのは、1978年に上梓された開高健の『オーパ』以降のことでしょう。いろいろな意見がありますけれど、グランデ・オガワは、開高健の釣りエッセイの最高傑作は、『オーパ』だと思っています。
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何かの事情があって
野外へ出られない人、
海外へいけない人、
鳥獣虫魚の話の好きな人、
人間や議論に絶望した人、
雨の日の釣師・・・・
すべて
書斎にいるときの
私に似た人たちのために。


という出だしに魅了されてしまったヒトは少なくないでしょう。

ドラードは、こんな感じでしたね・・・

いつごろからか
南米のどこかの河川にドラドという魚が棲んでいるのを知るようになった。
この魚、現地では『河のトラ』と呼ばれる。


『オーパ』を読んで、南米に行ってドラードを釣りたい! と、夢みるヒトがたくさん現れたのは間違いありません。それほど開高さんの文章は巧みだったんですね。
ちなみに、ダイワの看板男:村越正海さんもその一人でした(と本人が言ってました)。

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村越正海さんとドラード
写真は、2004年10月上旬に行われた、『ザ・フィッシング』のブラジルロケ中のもの。現地コーディネーターは、もちろんが無論スゴ腕ガイドのグランデ・オガワ(笑)。番組のお題は・・・

アングラ-ズ・ドリーム ~ 黄金の魚ドラドを追う ~
~ ブラジル・パンタナール湿原ピキリ川 ~


でした。ピキリ川は、グランデ・オガワのホーム・グラウンドの一つです。

ピキリ川は、ブラジル中西部のマット・グロッソ州と南マット・グロッソ州の境界辺りを流れる中型(幅数十メートル前後)の川です。世界最大の湿地帯といわれるパンタナルの中でもかなりの辺境。すなわちアプローチが遠い。だから魚影が濃い。野生動物もウジャウジャいる。パンタナルの野生動物については、その内このブログに別章を設けて書くつもりです。
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